技術紹介 > シンプルステインマウスMAX-PO(Rat)について

4.保存性について

 当部門にて、利用者に提供するためには、保存時の安定性についても考慮しなければなりません。 シンプルステインマウスMAX-PO(Rat)の添付書類には「2~8℃に保存。有効期間は製造後1年。」と明記されています。しかしながら、このような保存・管理法では、ロスが多く出てしまい、利用者の経費負担を低く抑えることができません。そこで、より安定的に長期保存するため、当部門では標識二次抗体を-80℃にて分注保存しています。しかし、製品によっては、凍結融解の際に標識物質が外れてしまったり、酵素や抗体が不活性化してしまったりすることも考え
られます。そこで、本製品についても凍結融解に対する耐久性を検証しました。

条件としては、

当部門にて分注、凍結・保存

利用者に提供

融解後、一部容量を使用 (ここまで凍結融解1回)

残りを凍結保存

再度融解後、全量使用。(ここまで凍結融解2回)

という使い方を想定して2回凍結融解時の染色性を比較しました。

凍結融解 なし

凍結融解 なし弱拡大 凍結融解 なし強拡大

凍結融解 2回

凍結融解2回弱拡大 凍結融解2回強拡大

シンプルステインマウスMAX-PO(Rat)は、2回の凍結融解後も染色強度やバックグランドの染色性に変化がみられなかった。

以上の結果より、2回程度の凍結融解については問題なく使用できる事を確認しました。
(もちろん、メーカーの保証対象外での使用方法になりますので、当部門および利用者の自己責任の範囲内において問題なく使用できるという事です。)

5.利用について

染色性および保存性についての検証結果から、シンプルステインマウスMAX-PO(Rat)を利用者の方へ提供可能と判断し、標識二次抗体のラインナップに加えました。より詳しい情報に関しましては、当部門スタッフにお尋ねください。
また、利用料金に関しましては、こちらをご覧下さい。(伊勢原キャンパス内からのみ閲覧可能)